赤いパンツ

いままでに一度も派手なパンツを買ったことはない。
黒、紺、青、ねずみ色
我が軍のそうそうたるクリーンナップである。

そこで赤いパンツをおもいきって買ってみた。
短い一生、赤パンを掃かずに死ねないと思ったのだ。何事も経験。
たかがパンツ、されどパンツ。
たかされパンツ。
江川パンツ。エガパン。

エガパンは2日後に掃くこととなった。我が家のタンスは新参者には厳しいのだ。
倹しい生活の中での、ビッグイベント。
たかが、一枚のパンツごときに人間さまが、クッ。しかし、そこはパンツと言えど怪物の怪物たる所以。

風呂上がり、平静を保ちつつ装着。
はて、温かさを感じることも
幸運が訪れそうな気配もない。
ここで浮き彫りになるパンツへの己の欲と期待。たかが、とそしっておいて何と強欲な。
パンツ一枚では何も変わりません。