錠剤 その2

朝、夕食後に錠剤を飲まなければならない。
歳をとれば、錠剤の一錠や二錠なぞざらなんである。
ただ、自分は錠剤を飲むのが苦手なのだ。
(詳細は当日記「錠剤」参照)

しかし、飲まないわけにはいかない。
飲むと飲まないとでは心の落ち着き具合が違う。
飲むも地獄、飲まぬも地獄なのだ。

朝食後、錠剤を口に含む。
下手をすると口が胃になりかねないので
素早く嚥下したいところだが、床に一錠落とした。

一錠君は自ら意志があるかのように、コロコロとテーブル下へ。
すかさず屈むが、なにぶんテーブルは低く、暗い。
四つん這いになり、上半身を床につけ右腕を伸ばす。
かなりきつい。錠剤ごときに、クッ。
中指と人差し指の先で何とか一錠君を掴まえた。
荒い息を吐いていた時、口の中の錠剤は消えていた。

明日から、この方法を試してみよう。