歩くペース

スーパーの出口で
スマホを見ながら歩くおばちゃんに
道をふさがれ、ふと思う

生まれてから今まで
後ろへも前へもゆけず
誰かの後頭部を見ながら
誰かに後頭部を見られながら
歩いている

このペースを決めているのは誰か
それは先頭をいく人か
その人を見ることもなく
その人もわたしを認知することなく
一生を終える

目の前の道さえままならない
同じ世界線
おばちゃんはままならないスマホ
格闘していた