かげぼうし

 放課後の校庭であなたは一人立ってる

 右手には宛名のないメモ書き

 わたしは二階の窓辺から手を伸ばし

 延びた影越しにあなたの頬をそうっと撫でた

 怪訝そうにこっちを見上げたから

 咄嗟にわたしは口を押さえてうずくまり

 初恋のおわりを噛み締めた