アイス

 理由も聞かずに

 甘いもので済まそうとするから

 喜ぶふりだけして

 あの人が帰ったあとに

 安っぽいアイスをシンクに放り投げて 

 溶けるのをじっと見る

 私の好きな人は

 台風が過ぎた後のような

 予定調和がいつまでも続くものだと

 信じきっている