2023-05-13 紙ヒコーキ スマホをテーブルに置き 素足で どしゃ降りのベランダへ出る せっかく作った前髪も 顔に張り付いて視界を塞ぐ 柵から地表を見下ろすと 雨に打たれる白い紙の山 それは雨を含んで膨らみ うずくまって泣く私の形となった 彼に投げた幾千の紙ヒコーキは この雨に遮られ たとえ雨が止んでも 今度は風が邪魔をして もう絶対に届かない