紙ヒコーキ

 スマホをテーブルに置き

 素足で

 どしゃ降りのベランダへ出る

 せっかく作った前髪も

 顔に張り付いて視界を塞ぐ

 柵から地表を見下ろすと

 雨に打たれる白い紙の山

 それは雨を含んで膨らみ

 うずくまって泣く私の形となった

 彼に投げた幾千の紙ヒコーキは

 この雨に遮られ たとえ雨が止んでも

 今度は風が邪魔をして

 もう絶対に届かない